なぜ「アクセスがあるのに成果が出ない」のか?
ホームページのアクセスは順調に増えているのに、問い合わせや資料請求につながらない——。
多くの中小企業がぶつかるこの壁、実は「数字を見ていない」ことが原因です。
僕が現場でよく感じるのは、アクセス数という“量”だけを追ってしまい、“質”を見ていないケース。
その“質”を見抜くために欠かせないのが、Google Search Console(以下:サーチコンソール)です。
サーチコンソールは「サイトの健康診断ツール」
サーチコンソールは、あなたのホームページが「どんなキーワードで検索され」「どんなページが見られ」「どの位置に表示されているか」を教えてくれる、無料の公式ツールです。
僕の感覚では、ホームページ改善の9割はこのデータを正しく読むかどうかで決まります。
ここからは、実際に僕が企業サイトをサポートする中で効果を上げた「3つのステップ」を紹介します。
Step1:検索キーワードから“意図のズレ”を見つける
データで見る「お客様が何を求めているか」
まず見るべきは、「検索パフォーマンス」→「クエリ(検索語句)」です。
この項目には、実際にユーザーがどんな言葉であなたのページを見つけたのかが一覧で出てきます。
たとえば、ある製造業のクライアントでは「試作 アルミ 加工」というキーワードで流入していたのに、ページの内容は製品紹介が中心でした。
つまり、ユーザーは「試作」について知りたかったのに、「量産前提の製品案内」を見せられていたんです。
この“意図のズレ”こそが、成果が出ない原因でした。
キーワードを見れば、お客様が何に悩み、どんな目的でサイトを訪れているのかがわかります。
まずはここをしっかり読み解くことが、改善の出発点です。
Step2:クリック率(CTR)を上げるタイトルと説明文に直す
見られているのにクリックされない理由
次に注目するのが「検索結果でのクリック率(CTR)」です。
「表示回数が多いのにクリックが少ないページ」は、タイトルや説明文(メタディスクリプション)で損をしている可能性が高いです。
例えば、同じように「試作 アルミ 加工」で上位表示されているページでも、
- 「アルミ加工の技術紹介」
- 「アルミ試作のコストを3割削減する方法」
とでは、クリック率に倍以上の差が出ます。
人は検索結果の数秒でクリックするかを判断します。
そのため、タイトルには「ユーザーが知りたいこと+成果を感じる言葉」を入れることが重要です。
Step3:滞在時間と離脱率で“中身の質”をチェック
読まれていないページには理由がある
キーワードもタイトルも良くなってきたら、最後は「滞在時間」と「離脱率」です。
サーチコンソール単体では分かりませんが、Googleアナリティクス(GA4)と組み合わせることで確認できます。
ページ滞在時間が短い場合、内容がユーザーの期待とズレているか、文章が読みにくいかのどちらかです。
よくあるのは「専門用語が多すぎる」「写真が少なくてイメージできない」「事例や数字が載っていない」など。
実際、あるサービス業のサイトでは、見出しを整理して写真を追加しただけで滞在時間が1.8倍、問い合わせ率が2倍に上がりました。
コンテンツの“中身の質”は、ユーザーがページをどう感じたかの結果として数字に表れます。
サーチコンソール改善の成果は「地道さ」の積み重ね
ここまで紹介した3ステップを回すと、サイトの問題点が見えるようになります。
ただし、サーチコンソールの効果は“一発逆転”ではなく、地道な改善の積み重ねです。
週1回のチェックでもいいので、「表示回数・CTR・平均掲載順位・クリック数」の変化を追っていきましょう。
少しずつでも数値が上がっていくと、サイトの改善が「感覚」ではなく「実績」で判断できるようになります。
僕自身、クライアントと一緒にグラフを見ながら「やっぱりタイトル変えたのが効いたね」と共有する瞬間が一番うれしいんです。
まとめ:数字の裏側に“お客様の声”がある
サーチコンソールの数字は、単なるデータではありません。
そこには、お客様がどんな言葉で悩み、どんなページに期待しているかという「生の声」が隠れています。
その声を読み取り、サイトに反映させることで、アクセスが「成果」に変わります。
データは冷たく見えますが、読み解くほど人間味のある改善ができるんです。
