アクセス解析で受注増につながる改善ポイントを見つける重要性
ホームページを運営している中小企業の多くが抱える悩みは、アクセスはあるのに受注や問い合わせにつながらないことです。アクセス数だけを見ると順調に見えても、実際の売上に直結していなければ意味がありません。
この状況を打破するために重要なのが「アクセス解析」です。アクセス解析を活用すると、訪問者の行動パターンや離脱ポイントが明確になり、具体的な改善策を導き出すことができます。正しいデータの見方を知ることが、ホームページからの受注増につながる第一歩です。
どのデータを見るべきか?アクセス解析の基本
1. 訪問者数・PV(ページビュー)だけで判断しない
アクセス数やページビューはホームページの人気を測る指標としては有効ですが、受注につながるかどうかの判断には不十分です。大切なのは「訪問者がどのページで離脱しているか」「どのページで問い合わせにつながっているか」という行動データです。
2. 離脱率と直帰率をチェック
離脱率は訪問者がサイトから離れる割合、直帰率は最初のページだけを見て離脱する割合です。特定のページで離脱が多い場合、ページ内容や導線に問題がある可能性があります。例えば、製品紹介ページの離脱率が高ければ、説明不足やCTAの位置が分かりにくいことが原因かもしれません。
3. コンバージョン率(CVR)の分析
アクセス解析で最も注目すべき指標はCVRです。CVRは「訪問者のうち、問い合わせや資料請求などのアクションを行った割合」を示します。訪問者が多くてもCVRが低ければ、導線やページ構成に改善の余地があります。
改善チャンスを見つける具体的手順
1. 行動フローを確認する
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールには「行動フロー」という機能があります。訪問者がどのページからどのページに遷移しているかを視覚的に把握できるため、導線のどこで離脱が起きているかが分かります。
- 導線が複雑で、訪問者が迷っている箇所を特定
- 問い合わせや資料請求に至るまでのステップ数を把握
- 不要なページや情報を整理して導線を短縮
2. 離脱ページの改善策を考える
離脱率が高いページは、訪問者が欲しい情報を見つけられない、または行動の誘導が不十分である可能性があります。改善策としては:
- CTAボタンを目立つ位置に配置する
- 情報の優先順位を整理し、訪問者が迷わない構成にする
- 画像や動画を活用して直感的に理解できる説明を追加する
3. ページごとのCVRを比較する
ページごとのCVRを確認すると、どのページが受注につながりやすいかが分かります。CVRが高いページの共通点を抽出し、他のページにも応用することで、全体の受注率を上げることが可能です。
- 効果的なCTAの文言や配置を確認
- 訪問者が興味を持つコンテンツの傾向を分析
- 成功しているページのデザインや構成を他ページに展開
改善の実践例:受注率が1.8倍に増えたケース
弊社オフィス・ヒロがサポートした建築業B社では、月間アクセス数は安定していたものの、問い合わせは月10件前後でした。行動フローとCVR分析を行ったところ、以下の課題が見つかりました:
- トップページから施工事例ページへの導線が不明瞭で、訪問者が離脱していた
- 問い合わせフォームが長すぎ、スマホでの入力が負担
- 各サービスページにCTAが分散しており、どれを押すべきか迷わせていた
改善策として:
- トップページに施工事例への明確な導線とCTAを配置
- 問い合わせフォームをスマホ最適化し、入力項目を半分に削減
- 全ページのCTAボタンを統一デザインに変更し、迷わせない
その結果、改善後3か月で問い合わせ件数は月10件→月18件に増加し、受注率も1.8倍に向上しました。
解析データを活用した継続改善のポイント
1. 定期的なデータ確認
アクセス解析は一度見ただけで終わるのではなく、定期的に確認することが重要です。季節やキャンペーンによって訪問者の行動は変化するため、継続的に改善ポイントを見つけていくことがCVR向上につながります。
2. ABテストで改善効果を測定
CTAの文言やボタンの色、配置をABテストで比較することで、どのパターンがより受注につながるかを定量的に判断できます。データに基づいた改善は、感覚的な変更よりも成果が安定します。
3. 導線の最適化を意識する
アクセス解析で得られたデータをもとに、サイト全体の導線を見直しましょう。訪問者が「次に何をすればよいか」を迷わず理解できる設計が、受注増に直結します。
まとめ
ホームページからの受注を増やすためには、アクセス解析を活用して改善ポイントを見つけることが不可欠です。離脱率やCVRを分析し、行動フローに沿った導線設計を行うことで、訪問者が自然に問い合わせや購入に至るサイトに変えることができます。
中小企業にとって、限られたアクセスを最大限活かすためには、定量データに基づく改善と継続的な導線最適化が鍵となります。解析結果をもとにした改善施策は、受注増だけでなく、サイトの信頼性向上や顧客満足度向上にもつながります。

 
						