失敗の原因は、ほとんど同じだった
これまで多くの相談を受けてきた中で、うまくいかなかったホームページには、はっきりとした共通点がある。
デザインが古かったからでもない。
機能が足りなかったからでもない。
制作会社の技術が低かったからでもない。
多くの場合、原因はもっと単純だ。
判断を急いだ。それだけだった。
「急がなければならない理由」が曖昧なまま進む
相談の初期段階で、よく聞く言葉がある。
「早く作らないといけなくて」
「とりあえず形にしたくて」
「今やらないと遅れる気がして」
ただ、その理由をもう一段掘り下げてみると、具体的な根拠が出てこないことが多い。
期限が決まっているわけでもない。
機会損失が数値で見えているわけでもない。
あるのは、「なんとなく不安」という感情だけだ。
判断を急ぐと、考える順番が逆になる
本来、ホームページ制作では、次の順番で考える。
- 今、本当に作る必要があるのか
- 作らない場合の選択肢は何か
- 作るなら、何を目的とするのか
ところが判断を急ぐと、この順番が逆転する。
デザインの話から始まり、
ページ数の話になり、
最後に「何のためのサイトか」を考え始める。
この時点で、設計はすでに歪んでいる。
「作ったあとで考える」は、ほぼ機能しない
よくあるのが、こんな言葉だ。
「とりあえず作って、あとで調整すればいい」
ただ、現場で見てきた限り、この考え方がうまくいったケースはほとんどない。
作ったあとに出てくるのは、改善ではなく違和感だ。
「思っていたのと違う」
「使いづらい気がする」
「反応がない」
それは、作り方の問題ではない。
判断のタイミングを間違えただけだ。
急がなかった案件ほど、結果が残る
一方で、相談から制作までに時間をかけた案件ほど、公開後の運用が安定している傾向がある。
すぐには作らず、
作らない可能性も含めて検討し、
目的と言葉を揃えてから着手したケースだ。
こうしたサイトは、公開後に大きな修正が入らない。
判断に迷う場面も少ない。
なぜなら、作る前に、ほとんどの判断を終えているからだ。
判断を遅らせることは、逃げではない
判断を急がない、というと、慎重すぎるように見えるかもしれない。
だが実際には、その逆だ。
急いで作ることの方が、
あとから修正や作り直しに追われ、
結果的に時間も費用も失う。
作る前に立ち止まることは、逃げではない。
設計として、極めて合理的な判断だ。
失敗しないために必要なのは、決断ではなく判断
ホームページ制作で必要なのは、勢いのある決断ではない。
今、本当に作るべきか。
まだ作らなくていいのではないか。
何を目的にするのか。
それらを一つずつ言葉にする判断だ。
失敗するホームページは、特別な理由で失敗しているわけではない。
ただ、判断を急いだ。
それだけのことが、ほとんどだ。
